Twitter(X)で呟いたものに補足。
陳情令ドラマでは、胸に朔月突き刺したまま棺へ駆けて行ったが、
原作では、最期を迎える前に朔月は振り落として逝った。
だから原作軸では曦臣の元に朔月は帰って来た筈だけれど、
曦臣は朔月を手にする事を怖れたのではと思う。
阿瑤を刺し貫いた感触、阿瑤が刺した自分に激昂して我が身を深く抉った感触、
曦臣にとって凄まじい体験だったろう。
トラウマ級の衝撃だったろう。
朔月を目にすることも怖かったのではと思う。
けれど他の誰にも委ねることなど出来ず、阿瑤の血を拭い清め、
何度も剣の手入れをしながらただ独り静かに涙を流すのだろうなあ。
恨生はどうなったか?観音廟に残っていた?
最初阿瑤を拘束した時に恨生も取り上げた筈。
観音廟崩壊後に回収されたか。
私は曦臣が秘かに自室に持ちたかったのではと思う。
長年阿瑤が身に纏っていた軟剣、阿瑤の全てを知っていた剣。
曦臣は恨生を手にして何を想うのだろう。
太陽。太陽のひかり。という意味を持つ「曦」。
その曦臣が手にするのは、朔の時の月。新月。という「朔月」
私は、曦瑤と朔月を思う時いつも、
宮本浩次の「冬の花」の一節、
”あなたは太陽 わたしは月
光と闇が交じり合わぬように”
が浮かぶ。
社会を恨み人を恨み自分自身をも恨み憎み続けた阿瑤が
その半生を共にした剣、恨生。
朔月と恨生はまるで真逆のように見えて、
その対極にあるからこそ強く惹かれ合い耀いたのではなかろうか。