曦瑶

「陳情令」金光瑶と藍曦臣についての彼是

金光瑶と藍曦臣

いつか君に逢えたら

「CYCLE OF BIRTH / DR. ECHO-LOGIC」アルバム最後の曲は、 吉井和哉作詞吉井和哉が歌う「LOVERS ON MAIN STREET/吉井和哉」だ。はてなブログは歌詞が掲載出来るので載せる。 「LOVERS ON MAIN STREET/吉井和哉」 ブラジル色の雨と 人々の谷間がこの街に散ら…

藍曦臣の閉関

原作「魔道祖師」において観音廟後に藍曦臣が閉関した事は、番外編「家宴」に書かれている。自ら閉関を解いたのか周囲(主に叔父上)から引っ張り出されたのかは定かではないが、夜狩りの場所を間違えたり儀式の手順を間違えたり、曦臣は心ここにあらずとい…

青蘅君と藍夫人

青蘅君とその夫人との関係はかなり謎だと思う。 原作でも詳しく描かれていないので推測の域だけれど 彼女が青蘅君の師を殺すに至ったのも彼が彼女に一目惚れし 半ば強引に連れ帰った事が発端だろうし、 そうでなければ罪人を妻とし軟禁状態に置く事もなかっ…

曦臣の「執着」

私は今まで「陳情令」「魔道祖師」の中で青蘅君が最もヤバい男なのだと考えて来たけれど、「陳情令」吹替版を見た後で少々想いを新たにした。青蘅君は、自分との出逢いが青蘅夫人の人生を変えて仕舞った、半ば強引に雲深不知処に連れ帰ることで彼女を彼の師…

瑶琴寄恨生

以前twitterで金光瑶の剣「恨生」の文字が含まれる漢詩の一節「瑶琴寄恨生」をあげておられる方がいて気になっていた。唐代の女流詩人魚玄機の「寄飛卿」という詞だ。魚玄機は、娼家に生まれ見目麗しく詩才に優れ、金満家の妾になり、その後女道士となった。…

朝顔とヘメロカリス

阿瑶と曦臣の絵柄の花は、阿瑶が青の朝顔、曦臣がオレンジのヘメロカリスだ。青の朝顔の花言葉は、「短い愛」「儚い恋」、つるが巻き付いて伸びることから、「私はあなたに絡みつく」「固い絆」という意味もある。オレンジのヘメロカリスは、花が一夜限りで…

「陳情令」「魔道祖師」の母親達

陳情令、魔道祖師の世界における女性達は、産まれ育ち、そして誰と結ばれるかで一生が決まるのだと思う。まず孟詩。孟詩は、没落家の子女できちんとした教育を受けた娘が苦界に身を沈められたという風に考えているが、妓女の身で独学で学んだのかもしれない…

結婚したのか俺以外の奴と

twitterで「結婚したのか 俺以外の奴と」というフレーズが流れて来て、その後に続く「お前と結婚するのは、俺だと思ってた」というセリフを合わせて思うのは、阿瑶から秦愫と結婚することを告げられた時の曦臣の心境はどうだったろうかという点だ。射日の征…

愛修

忘機は、魏嬰を一途に愛し魏嬰が莫玄羽の身体に蘇って後は、藍家の家訓も世のしがらみの全てを越えて、ただ魏嬰と共にあろうとし守り戦い、そして唯一無二の知己として最終的に道侶と為った。双修を行いやがては、魏嬰の胎内に金丹が芽生える希望があるだろ…

金光瑤と金凌と曦臣

ドラマ「陳情令」では、観音殿で追い詰められた金光瑤は、身体に埋め込んで隠し持っていた琴弦を金凌の首に掛け、最後の足掻きをした。金凌の首に琴弦が食い込み、血が滴る描写もあった。けれど原作では、刀霊に支配された温寧が覇下を振り下ろそうとした時…

アレキサンドライト

アレキサンドライトは、日中太陽光のもとで青みがかった緑色、夜の人工光(蝋燭や白熱灯など)では、赤色に変る宝石です。私がこの「アレキサンドライト」という存在を知ったのは、随分昔、山藍紫姫子の「アレキサンドライト」からなので、アレキサンドライ…

「君はプリズム」金光瑤人物像について

私が「孟瑤」「金光瑤」に注目し始めたのは、「陳情令」第4回あの孟瑤が副使として聶家の献上品を手渡すシーンからでした。出自を揶揄されて狼狽するあの仕草、そして藍曦臣に救われ(指をそっと撫でられ)当惑しつつ(心躍らせる)あの目の動き。その直後に…

翡翠に込めた想い

藍曦臣が阿瑤にこの「金光瑶専用藍氏通行玉牌」を渡したのはいつだろう。古代中国で最高級とされた和田玉(白の翡翠)に姑蘇藍氏家紋が透かし彫りされた豪奢な造りの品だ。阿瑤が温若寒を討った功績で金家に迎えられ金光瑤という名を貰い、斂芳尊という号を…

藍曦臣の目を瞑る癖

観音殿で藍曦臣は、「金光瑤の悪を知らぬ訳ではなかった」と言った。「やむを得ぬ事情があるのだと思っていた」と。金光瑤の悪に目を瞑っていたのだ。己の抱く金光瑤の理想像が崩れる事を怖れて?金光瑤が己に隠す闇の部分を突きつけられたくなくて?曦臣は…

登場人物それぞれの過ち

「陳情令」「魔道祖師」は勧善懲悪の物語では無い。 全て完璧に「正」であった人は、いない。「陳情令」の方は、金光瑤一人に悪の責任を負わせ過ぎな面があるけれ ど原作の方では、主要登場人物それぞれに少なからず 「過ち」というものがあると私は、思う。…

藍曦臣の救いとは

曦臣には救われて欲しいと思い続けて来ました。 「記憶というてもな、映るはずもない遠すぎるものを映しもすればそれを近いもののように見せもすれば幻の眼鏡のようなものやさかいに」・・・・・・「それも心々ですさかい」三島由紀夫『豊穣の海』「天人五衰…

金光瑤の遺したもの

阿瑤は、曦臣の信頼を裏切って禁室に忍び込み「乱魄抄」を盗み、大哥を死に至らしめたのだから曦臣がそのいきさつを知って、阿瑤に渡した通行玉牌を失効させたのは当然です。当然の事ながらも阿瑤が雲深不知処の結界に阻まれた時の驚きと悲嘆を思うと哀れに…

唄を忘れたカナリヤ〈金糸雀〉

青蘅君にとって藍曦臣と藍忘機の母親となった女性は、 運命の人だったろうが、一方的な恋だった。挙げ句彼女は彼の師を殺して罪人となり青蘅君は、 命を救う為に結婚して閉じ込め、彼本人も閉関した。藍夫人が子供達に会えるのは月一度だけ。彼女の死につい…

忘れ得ずして

自信が無くてどうしても手を挙げることが出来ずに、「自分だけの妄想にすべき」とチマチマ書いておりました。「忘れ得ずして」というタイトルです。思い留まって良かった。やっぱり私、激しくズレています。そのうちにpixivに載せる積りでおりますが、このタ…

金光瑶の願い(曦臣の崩壊から再生へ)

藍曦臣がそれまで信じて来た、守ろうとして来た世界は、観音廟で、崩壊したのだろう。藍家の厳しい戒律を当然の事として固く守り、己を律し、それと気づかぬうちに感情を封じ込め、清く正しく生きて来た筈の曦臣は、金光瑶の悪事が暴かれ、己の剣で光瑶を死…

金光瑶の父性と母性

各国の方々が創作されたXIYAOの大海を探索し続けているのだけれど、想像以上に金光瑶が子を産んでいる事に驚く。金光瑶が転生して女性に為ることもあるし、女性が献舎して金光瑶の魂が呼び出されることもある。女性となった金光瑶は、藍曦臣と出逢い、幾多の…

なぜ感情 こんなにも与えたの?

Archive of Our Own(みんなのアーカイブ)での私のIDは、cranberryheavenです。各国の皆様による「魔道祖師」「陳情令」の様々な創作を楽しませて頂いています。何故「cranberryheaven」という名前にしたかというと、吉井和哉のアルバム「The Apples」収録…

遠い天の果てで

#君・僕・死で文を作ると好みがわかる、そのお題で、 私は、「死は、僕と君を隔てることは出来ない」と書きました。けれど、連想したのは、「君と僕は過去と未来よりも強く結ばれて 未来永劫に出会い続ける」という、詩の一節でした。 原作で、孟瑶と藍曦臣…

藍曦臣の涙

ドラマ第五十話、藍曦臣が金光瑶の胸に朔月を突き刺してしまった後、阿瑶は、最初に聶懐桑が長年己を欺き復讐の計画を練り続けてきた事を、ようやく知って聶懐桑を詰りますが、その後は、藍曦臣に向かって、自分は、長年あなたに尽くしてきたじゃないか、何…

阿瑶は、ファム・ファタールなのか

阿瑶は、曦臣のファム・ファタールなのか?ファム・ファタールが、「運命の相手」というならば、確かに阿瑶は、曦臣のファム・ファタールだろう。けれど、「相手を破滅させる魔性の存在」という意味では、どうだろう。確かに阿瑶は、その死によって曦臣に、…

金光瑶が金鱗台大階段上で思うのは

阿瑶は、自分を不幸だと捉えていたのだろうか。偉大な父親に認知されない妓女の息子。どんなに功績を挙げて父親の家系に入れて貰えたとしても 決して息子としてではない。あげくにやっと出自を蔑まぬ女性と結婚出来ると思えば、それは父親が部下の妻を襲って…

金光瑶を花に喩えると

以前、斂芳尊と呼ばれたからには、さぞ芳しい香りだったのだろうと、金光瑶に花の香りを考えて浮かんだのが、臘梅(蝋梅)でした。12月から2月頃にかけて蝋で出来たかのような黄色い花を咲かせる甘いよい香りのする蝋梅。少し俯き加減に咲く様子から花言葉は、…

曦臣は、阿瑶に何を夢見たか

このブログを「曦瑶」と名付けたからには、藍曦臣と金光瑶(孟瑶)の関係を徹底的に考えたいと思っています。観音廟事件の後の藍曦臣が気がかりで堪らず、解決策がないものかと海外の二次創作も探し始めました。それぞれ素晴らしい作品が多かったですが、昨…

月に想う

曦臣が阿瑶に手紙を書くとしたら、の続きです。最初に訪れるであろう、悔しさ怒り、次に訪れるであろう、後悔と謝罪、深い悲しみ、その後は、阿瑶との楽しかった美しい思い出だと思うのです。阿瑶と過ごした長い年月、その中には、きっと二人だけの掛け替え…

曦臣が阿瑶に手紙を書くとしたら

絶望の淵に佇む曦臣がどうしたら救われるのかを考え続けているのですが、リルケの詩の一節『すべてを経験せよ 美も恐怖も 生き続けよ 絶望が最後ではない』を思い浮かべました。阿瑶を喪った曦臣は、かけがえのない存在を失くして仕舞ったのですが、引き換え…