曦瑶

「陳情令」金光瑶と藍曦臣についての彼是

阿瑤は、母孟詩をどう思っていたか。

前に「卑しい生まれ卑しい育ち」という言葉について書いたことがあるけれど、阿瑤は、娼婦・妓女を卑しい職業だとは思っていなかったろうと私は、思う。娼婦が産んだ子供であることを卑しい産まれ、娼館で育った事を卑しい育ちというならば、娼館を利用し女…

いつか君に逢えたら

「CYCLE OF BIRTH / DR. ECHO-LOGIC」アルバム最後の曲は、 吉井和哉作詞吉井和哉が歌う「LOVERS ON MAIN STREET/吉井和哉」だ。はてなブログは歌詞が掲載出来るので載せる。 「LOVERS ON MAIN STREET/吉井和哉」 ブラジル色の雨と 人々の谷間がこの街に散ら…

藍曦臣の閉関

原作「魔道祖師」において観音廟後に藍曦臣が閉関した事は、番外編「家宴」に書かれている。自ら閉関を解いたのか周囲(主に叔父上)から引っ張り出されたのかは定かではないが、夜狩りの場所を間違えたり儀式の手順を間違えたり、曦臣は心ここにあらずとい…

母親達 孟詩、虞紫鴛、秦愫、江厭離etc.

母の日は過ぎてしまったけれど、もう一度「陳情令」と「魔道祖師」に描かれた母親達についてのまとめ。 まず孟詩について孟詩の阿瑤への強い願いは呪いになってしまったと私は思っているけれど、決して孟詩が毒母だったと言っている訳ではない。孟詩は、阿瑤…

青蘅君と藍夫人

青蘅君とその夫人との関係はかなり謎だと思う。 原作でも詳しく描かれていないので推測の域だけれど 彼女が青蘅君の師を殺すに至ったのも彼が彼女に一目惚れし 半ば強引に連れ帰った事が発端だろうし、 そうでなければ罪人を妻とし軟禁状態に置く事もなかっ…

『愛を知っている』?

あの世界の女性達皆辛いと思ってるけれど最も不憫なのは秦愫だろう。阿瑶との契りは婚礼前のただ一夜限り、夫からは常に優しく大切にされたけれど、阿松を亡くしてからも次の子を望まれず、夫は側室を持とうとはせず金凌を後継者と定めた。義兄の沢蕪君は一…

阿瑶と阿松

阿瑶の母孟詩に対する深い敬愛、異母妹と知った後でも決して遠ざけること無く身近に置き続けた秦愫への情、そして生涯白月光として敬い続けた曦臣への情を思うと、阿瑶という人は、決して愛を持たない人間ではなかったと思う。青楼時代に恩を受けた思思の命…

曦臣の「執着」

私は今まで「陳情令」「魔道祖師」の中で青蘅君が最もヤバい男なのだと考えて来たけれど、「陳情令」吹替版を見た後で少々想いを新たにした。青蘅君は、自分との出逢いが青蘅夫人の人生を変えて仕舞った、半ば強引に雲深不知処に連れ帰ることで彼女を彼の師…

瑶琴寄恨生

以前twitterで金光瑶の剣「恨生」の文字が含まれる漢詩の一節「瑶琴寄恨生」をあげておられる方がいて気になっていた。唐代の女流詩人魚玄機の「寄飛卿」という詞だ。魚玄機は、娼家に生まれ見目麗しく詩才に優れ、金満家の妾になり、その後女道士となった。…

朝顔とヘメロカリス

阿瑶と曦臣の絵柄の花は、阿瑶が青の朝顔、曦臣がオレンジのヘメロカリスだ。青の朝顔の花言葉は、「短い愛」「儚い恋」、つるが巻き付いて伸びることから、「私はあなたに絡みつく」「固い絆」という意味もある。オレンジのヘメロカリスは、花が一夜限りで…

「陳情令」「魔道祖師」の母親達

陳情令、魔道祖師の世界における女性達は、産まれ育ち、そして誰と結ばれるかで一生が決まるのだと思う。まず孟詩。孟詩は、没落家の子女できちんとした教育を受けた娘が苦界に身を沈められたという風に考えているが、妓女の身で独学で学んだのかもしれない…

結婚したのか俺以外の奴と

twitterで「結婚したのか 俺以外の奴と」というフレーズが流れて来て、その後に続く「お前と結婚するのは、俺だと思ってた」というセリフを合わせて思うのは、阿瑶から秦愫と結婚することを告げられた時の曦臣の心境はどうだったろうかという点だ。射日の征…

愛修

忘機は、魏嬰を一途に愛し魏嬰が莫玄羽の身体に蘇って後は、藍家の家訓も世のしがらみの全てを越えて、ただ魏嬰と共にあろうとし守り戦い、そして唯一無二の知己として最終的に道侶と為った。双修を行いやがては、魏嬰の胎内に金丹が芽生える希望があるだろ…

金光瑤と金凌と曦臣

ドラマ「陳情令」では、観音殿で追い詰められた金光瑤は、身体に埋め込んで隠し持っていた琴弦を金凌の首に掛け、最後の足掻きをした。金凌の首に琴弦が食い込み、血が滴る描写もあった。けれど原作では、刀霊に支配された温寧が覇下を振り下ろそうとした時…

芳菲殿密室で(阿瑶と秦愫)

阿瑶は秦愫を口封じの為に自害するように仕向けたのか。私も「陳情令」の第一印象で阿瑶はあの温氏の匕首に何か仕込んでいたのじゃないか、秦愫に術でも掛けたのじゃ?と疑った事があった。秦愫との結婚自体も金氏の有力配下である蘭陵秦氏の息女という立場…

「金如松」について

「陳情令」「魔道祖師」の世界で金光瑶が犯した最大の悪は、父光善殺害と義兄である聶明玦謀殺であろう。けれど私は、個人的に金光瑶の最も大きな罪は、我が子「阿松」殺しだと思っている。正式な名を「金如松」。金凌が生まれる前に魏嬰から「如蘭」と名付…

パワーストーン

Twitterに金光瑤の帽子の大きな画像を載せて下さった方がいらして、 中央の宝石を良く見てみたら、やっぱりこれは赤瑪瑙ではなくサンストーンのようですね。ちなみに私の持っている赤瑪瑙とサンストーンの画像は、こちら。 阿瑶の石は、金砂をまぶしたように…

「乱魄」日本語字幕を見て

中国語での「乱魄」を見たのはもう随分前の事ですが、この「乱魄」の冒頭で金光瑤が聶懐桑に、聶明玦の気の暴走を抑える手助けになるようにと笛を渡した時に教えたのは、正しい「清心音」だったのか「乱魄抄」を混ぜたものだったのかという疑問は、解消出来…

アレキサンドライト

アレキサンドライトは、日中太陽光のもとで青みがかった緑色、夜の人工光(蝋燭や白熱灯など)では、赤色に変る宝石です。私がこの「アレキサンドライト」という存在を知ったのは、随分昔、山藍紫姫子の「アレキサンドライト」からなので、アレキサンドライ…

「君はプリズム」金光瑤人物像について

私が「孟瑤」「金光瑤」に注目し始めたのは、「陳情令」第4回あの孟瑤が副使として聶家の献上品を手渡すシーンからでした。出自を揶揄されて狼狽するあの仕草、そして藍曦臣に救われ(指をそっと撫でられ)当惑しつつ(心躍らせる)あの目の動き。その直後に…

翡翠に込めた想い

藍曦臣が阿瑤にこの「金光瑶専用藍氏通行玉牌」を渡したのはいつだろう。古代中国で最高級とされた和田玉(白の翡翠)に姑蘇藍氏家紋が透かし彫りされた豪奢な造りの品だ。阿瑤が温若寒を討った功績で金家に迎えられ金光瑤という名を貰い、斂芳尊という号を…

藍曦臣の目を瞑る癖

観音殿で藍曦臣は、「金光瑤の悪を知らぬ訳ではなかった」と言った。「やむを得ぬ事情があるのだと思っていた」と。金光瑤の悪に目を瞑っていたのだ。己の抱く金光瑤の理想像が崩れる事を怖れて?金光瑤が己に隠す闇の部分を突きつけられたくなくて?曦臣は…

登場人物それぞれの過ち

「陳情令」「魔道祖師」は勧善懲悪の物語では無い。 全て完璧に「正」であった人は、いない。「陳情令」の方は、金光瑤一人に悪の責任を負わせ過ぎな面があるけれ ど原作の方では、主要登場人物それぞれに少なからず 「過ち」というものがあると私は、思う。…

藍曦臣の救いとは

曦臣には救われて欲しいと思い続けて来ました。 「記憶というてもな、映るはずもない遠すぎるものを映しもすればそれを近いもののように見せもすれば幻の眼鏡のようなものやさかいに」・・・・・・「それも心々ですさかい」三島由紀夫『豊穣の海』「天人五衰…

金光瑤の冠

金光瑤(孟瑤)の母孟詩からの「君子正衣冠」の教えの象徴ともいうべきあの帽子、阿瑤が初めてあの帽子を着用して画面に登場したのは、不夜天で行われた温氏討伐後の会議でした。孟瑤が温若寒を討ったその功績により、金光善に認められ一族の系譜に加えられ…

金光瑤の遺したもの

阿瑤は、曦臣の信頼を裏切って禁室に忍び込み「乱魄抄」を盗み、大哥を死に至らしめたのだから曦臣がそのいきさつを知って、阿瑤に渡した通行玉牌を失効させたのは当然です。当然の事ながらも阿瑤が雲深不知処の結界に阻まれた時の驚きと悲嘆を思うと哀れに…

聶明玦の死に関する「陳情令」と「魔道祖師」との違い

ドラマ「陳情令」では、聶明玦に金鱗台を蹴り落とされた直後、血塗れの金光瑤が階段を登っていくその時に聶明玦に異変が現れた という描写になっていました。藍曦臣が光瑤に「清心音」を教え、光瑤は明玦に聴かせるそれに 「乱魄抄」を巧妙に混ぜて明玦を倒…

「笑窪(えくぼ)の伝説」

中国に「忘川河傳說」〔忘川河(ぼうせんが)の伝説〕というものがある事を知った。 伝説によると、人は死後、悪魔の門の後に黄泉の道に行くと言われている。⋯⋯道には葉っぱを見ずに咲く彼岸花がある。花も葉も一緒に見ることはなく、いつまでも寂しい思いを…

青い林檎

青リンゴ 刘海宽さんが昨日UPした動画は、実に印象深かった。青リンゴを頬に滑らせ、一口囓り、おもむろに取り出したナイフと フォークで切り割る。でも食べたのは、赤いリンゴ。何を意味しているのか?青いリンゴで思い浮かぶのは、「青い」から「未成熟」…

唄を忘れたカナリヤ〈金糸雀〉

青蘅君にとって藍曦臣と藍忘機の母親となった女性は、 運命の人だったろうが、一方的な恋だった。挙げ句彼女は彼の師を殺して罪人となり青蘅君は、 命を救う為に結婚して閉じ込め、彼本人も閉関した。藍夫人が子供達に会えるのは月一度だけ。彼女の死につい…