曦瑶

「陳情令」金光瑶と藍曦臣についての彼是

「乱魄」日本語字幕を見て

中国語での「乱魄」を見たのはもう随分前の事ですが、
この「乱魄」の冒頭で金光瑤が聶懐桑に、
聶明玦の気の暴走を抑える手助けになるようにと笛を渡した時に教えたのは、
正しい「清心音」だったのか「乱魄抄」を混ぜたものだったのかという疑問は、
解消出来ませんでした。
最後の場面に出てきた「清心音」の楽譜、

あれは金光瑤が渡したものだったのでしょうか?
私は、金光瑤が聶明玦殺害を企んだとしても、聶懐桑にまで「乱魄抄」を演奏させて、
陰謀に加担させる積もりはなかったと思うのです。
映像の金光瑤が聶懐桑へ笛を手渡す笑みが見ようによっては、
腹に一物ありそうな怪しすぎる笑顔に映ってみえるので、つい誤解されるのではという
気がしますが、この時は、兄明玦の刀霊による気の悪化を怖れる聶懐桑を宥める為に、
阿瑶は「清心音」を教えたのだろうと私は、思っています。
けれどこの「乱魄」の中で、懐桑は、「乱魄抄」の混じった「清心音」を吹いた。
何故か。
私は、不浄世で阿瑶が聶懐桑のいる前でおおっぴらに「乱魄抄」入りの「清心音」を
奏でたとは、思えません。
そんな危険を冒す筈はないと思えます。
聶懐桑は、密かに阿瑶が奏でる「乱魄抄」入りの「清心音」を聴き、
音楽にも秀でた才能を持つ聶懐桑が耳コピしていたのではなかろうかと思います。

「清心音」の楽譜、これは藍家の秘伝の書の筈ですが、
藍曦臣が阿瑶に「清心音」を教え聶明玦の気を鎮める為に演奏させると決めた時に、
この楽譜を手渡し、それが聶懐桑へと授けられたのだろうかと考えます。

<訂正>

「清心音」は、藍曦臣から阿瑶へは、口伝。

藍曦臣が聶懐桑へ「清心音」楽譜を渡したのかもですね。


「陳情令」スピンオフ「乱魄」では、この阿瑶から懐桑への笛の状況は、
とても紛らわしい表現だと思えます。

原作では、阿瑶が藍曦臣から「清心音」を習い、不浄世の聶明玦の許に、
「清心音」を奏でに通って最初のうちは気の暴走を抑えられていたと
いう記述があります。
ドラマと原作では、設定が違っているというのは理解していますが、
この「乱魄」は、この時期なのではと思っています。

「乱魄」で聶明玦は、聶の当主として刀霊に侵される我が身の迫り来る死を
覚悟していたろうし、何としても弟懐桑だけは守りたいと

その思いを強くしていた筈です。
刀霊の影響による気の乱れ、寿命が尽きようとする焦り、
そして薛洋を匿っていたと知って湧き上がった阿瑶への怒り、
それまでずっと口答えなどしなかった阿瑶の初めてといってもよい程の、
激しい反論に思わず逆上して大階段を蹴り落とし
「妓女の子」という大トラウマを抉ってしまった。
ここに至って初めて阿瑶は、聶明玦の殺害を決断するのだと思っています。
阿瑶が藍曦臣の信頼を裏切り、「禁室」へ忍び込み「乱魄抄」を盗み出したのは、
いつだったのでしょう。

観音殿で阿瑶は「(藍曦臣を)傷つけようと思ったことは一度も無かった」
と言ったけれど、この「聶明玦殺害に藍曦臣を巻き込んで乱魄抄を使った」事が
どれ程酷く藍曦臣を傷つける事になったか、全く思いもしていなかった
その阿瑶の心の欠落が痛ましいです。

「乱魄」を見終わって、聶懐桑という人の知力の深さ、意思の強さ、
十数年掛けて綿密に計画を立て、復讐を果たした想いの深さが理解出来ます。

当初計画されていたという「三尊のスピンオフ」、
是非とも実現して頂きたいです。