曦瑶

「陳情令」金光瑶と藍曦臣についての彼是

2020-01-01から1年間の記事一覧

藍曦臣の救いとは

曦臣には救われて欲しいと思い続けて来ました。 「記憶というてもな、映るはずもない遠すぎるものを映しもすればそれを近いもののように見せもすれば幻の眼鏡のようなものやさかいに」・・・・・・「それも心々ですさかい」三島由紀夫『豊穣の海』「天人五衰…

金光瑤の冠

金光瑤(孟瑤)の母孟詩からの「君子正衣冠」の教えの象徴ともいうべきあの帽子、阿瑤が初めてあの帽子を着用して画面に登場したのは、不夜天で行われた温氏討伐後の会議でした。孟瑤が温若寒を討ったその功績により、金光善に認められ一族の系譜に加えられ…

金光瑤の遺したもの

阿瑤は、曦臣の信頼を裏切って禁室に忍び込み「乱魄抄」を盗み、大哥を死に至らしめたのだから曦臣がそのいきさつを知って、阿瑤に渡した通行玉牌を失効させたのは当然です。当然の事ながらも阿瑤が雲深不知処の結界に阻まれた時の驚きと悲嘆を思うと哀れに…

聶明玦の死に関する「陳情令」と「魔道祖師」との違い

ドラマ「陳情令」では、聶明玦に金鱗台を蹴り落とされた直後、血塗れの金光瑤が階段を登っていくその時に聶明玦に異変が現れた という描写になっていました。藍曦臣が光瑤に「清心音」を教え、光瑤は明玦に聴かせるそれに 「乱魄抄」を巧妙に混ぜて明玦を倒…

「笑窪(えくぼ)の伝説」

中国に「忘川河傳說」〔忘川河(ぼうせんが)の伝説〕というものがある事を知った。 伝説によると、人は死後、悪魔の門の後に黄泉の道に行くと言われている。⋯⋯道には葉っぱを見ずに咲く彼岸花がある。花も葉も一緒に見ることはなく、いつまでも寂しい思いを…

青い林檎

青リンゴ 刘海宽さんが昨日UPした動画は、実に印象深かった。青リンゴを頬に滑らせ、一口囓り、おもむろに取り出したナイフと フォークで切り割る。でも食べたのは、赤いリンゴ。何を意味しているのか?青いリンゴで思い浮かぶのは、「青い」から「未成熟」…

唄を忘れたカナリヤ〈金糸雀〉

青蘅君にとって藍曦臣と藍忘機の母親となった女性は、 運命の人だったろうが、一方的な恋だった。挙げ句彼女は彼の師を殺して罪人となり青蘅君は、 命を救う為に結婚して閉じ込め、彼本人も閉関した。藍夫人が子供達に会えるのは月一度だけ。彼女の死につい…

忘れ得ずして

自信が無くてどうしても手を挙げることが出来ずに、「自分だけの妄想にすべき」とチマチマ書いておりました。「忘れ得ずして」というタイトルです。思い留まって良かった。やっぱり私、激しくズレています。そのうちにpixivに載せる積りでおりますが、このタ…

金光瑶の願い(曦臣の崩壊から再生へ)

藍曦臣がそれまで信じて来た、守ろうとして来た世界は、観音廟で、崩壊したのだろう。藍家の厳しい戒律を当然の事として固く守り、己を律し、それと気づかぬうちに感情を封じ込め、清く正しく生きて来た筈の曦臣は、金光瑶の悪事が暴かれ、己の剣で光瑶を死…

金光瑶の父性と母性

各国の方々が創作されたXIYAOの大海を探索し続けているのだけれど、想像以上に金光瑶が子を産んでいる事に驚く。金光瑶が転生して女性に為ることもあるし、女性が献舎して金光瑶の魂が呼び出されることもある。女性となった金光瑶は、藍曦臣と出逢い、幾多の…

阿瑶のベルトと衣装

昨日Twitterでこの方の記事「金光瑶のベルト」を読ませて頂いて非常に感銘を受けた。 孟瑶のベルトがはっきり映るのは、この雲深不知処での孟瑶と曦臣との別れの場面だ。次は、孟瑶が聶氏の副使として薛洋を引き取りに訪れる場面。 その後、孟瑶が聶氏を追放…

なぜ感情 こんなにも与えたの?

Archive of Our Own(みんなのアーカイブ)での私のIDは、cranberryheavenです。各国の皆様による「魔道祖師」「陳情令」の様々な創作を楽しませて頂いています。何故「cranberryheaven」という名前にしたかというと、吉井和哉のアルバム「The Apples」収録…

遠い天の果てで

#君・僕・死で文を作ると好みがわかる、そのお題で、 私は、「死は、僕と君を隔てることは出来ない」と書きました。けれど、連想したのは、「君と僕は過去と未来よりも強く結ばれて 未来永劫に出会い続ける」という、詩の一節でした。 原作で、孟瑶と藍曦臣…

藍曦臣の涙

ドラマ第五十話、藍曦臣が金光瑶の胸に朔月を突き刺してしまった後、阿瑶は、最初に聶懐桑が長年己を欺き復讐の計画を練り続けてきた事を、ようやく知って聶懐桑を詰りますが、その後は、藍曦臣に向かって、自分は、長年あなたに尽くしてきたじゃないか、何…

阿瑶は、ファム・ファタールなのか

阿瑶は、曦臣のファム・ファタールなのか?ファム・ファタールが、「運命の相手」というならば、確かに阿瑶は、曦臣のファム・ファタールだろう。けれど、「相手を破滅させる魔性の存在」という意味では、どうだろう。確かに阿瑶は、その死によって曦臣に、…

金光瑶が金鱗台大階段上で思うのは

阿瑶は、自分を不幸だと捉えていたのだろうか。偉大な父親に認知されない妓女の息子。どんなに功績を挙げて父親の家系に入れて貰えたとしても 決して息子としてではない。あげくにやっと出自を蔑まぬ女性と結婚出来ると思えば、それは父親が部下の妻を襲って…

聶明玦と金光瑶、二人の棺

ドラマ「陳情令」金光瑶の最期は、「聶明玦、私があなたを怖れると思うか。」と意を決して、棺へと走り込む場面でした。その先、金光瑶がどのように絶命したのかと考える時、あり得ないことかもしれませんが、阿瑶は、頭と手足、胴体を縫い付けられた聶明玦…

金光瑶を花に喩えると

以前、斂芳尊と呼ばれたからには、さぞ芳しい香りだったのだろうと、金光瑶に花の香りを考えて浮かんだのが、臘梅(蝋梅)でした。12月から2月頃にかけて蝋で出来たかのような黄色い花を咲かせる甘いよい香りのする蝋梅。少し俯き加減に咲く様子から花言葉は、…

曦臣は、阿瑶に何を夢見たか

このブログを「曦瑶」と名付けたからには、藍曦臣と金光瑶(孟瑶)の関係を徹底的に考えたいと思っています。観音廟事件の後の藍曦臣が気がかりで堪らず、解決策がないものかと海外の二次創作も探し始めました。それぞれ素晴らしい作品が多かったですが、昨…

月に想う

曦臣が阿瑶に手紙を書くとしたら、の続きです。最初に訪れるであろう、悔しさ怒り、次に訪れるであろう、後悔と謝罪、深い悲しみ、その後は、阿瑶との楽しかった美しい思い出だと思うのです。阿瑶と過ごした長い年月、その中には、きっと二人だけの掛け替え…

曦臣が阿瑶に手紙を書くとしたら

絶望の淵に佇む曦臣がどうしたら救われるのかを考え続けているのですが、リルケの詩の一節『すべてを経験せよ 美も恐怖も 生き続けよ 絶望が最後ではない』を思い浮かべました。阿瑶を喪った曦臣は、かけがえのない存在を失くして仕舞ったのですが、引き換え…

阿瑶と藍曦臣、二人の生と性

ドラマの登場人物の「性」について彼是考えた挙句にブログを、書いてしまう自分は、相当いかれてると自分でも思います。ただの萌え好きな感想です。阿瑶は、あの作品世界の中で、「性」の問題から見れば、被害者の立場だったと思うのです。妓楼で妓女が子供…

阿瑶と藍曦臣、二人の空洞

私が金光瑶に完全に嵌ったのは、あのテーマ曲「多恨生」からなのだけれど、あの中で歌われる「空洞」、金光瑶の生涯は、結局阿瑶が抱えたブラックホールに呑み込まれたのだと感じています。彼の霧に覆われたような世界で唯一の光が、「白月光」と言うべき存…

「典獄司」

【老九門】典獄司 by 音頻怪物 Warden 金光瑶を演じた朱賛錦が撮影していた『老九門之青山海棠』が楽しみでなりません。朱賛錦が演じるのは、二月紅という京劇の人気女形かつ老九門のうち 「二爺」と呼ばれる宗主だということです。朱賛錦のインタビューで、…

藍曦臣テーマ曲「不由」

刘海宽 (Liu Haikuan) - Can't help (不由 ) 蓝曦臣 Lan Xichen | Official OST. Ver. 陈情令 ( The Untamed ) - YouTube 「訳詞」(翻訳機を使っているので不確かです、すみません) あなたは煙のように天涯を過ぎて世界の喧騒は昨日とは異なる嵐は雲の奥深…

金光瑶は、サイコパスホビットだったのか

金光瑶は、サイコパスホビットだったのか 「サイコパスホビット」とは、実に上手い喩えだとは、思うのですが、阿瑶を、サイコパスと言い切って良いのかどうか悩みます。サイコパスを良心の異常な欠如、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・慢性的に平然と嘘を…

曦瑶ソング「飛鳥與魚」

”ALWAYS TOGETHER FOREVER APART” 剧版曦瑶 XiYao | 飛鳥與魚 Fish&bird (Fanvid) 歌詞の意味を知るとなお、切ない。 https://mojim.com/twy100156x21x28.htm

藍曦臣は何故死のうとしたのか

藍曦臣は、何故あの時金光瑶と共に死のうとしたのか。阿瑶は、胸の朔月を深々と差し込み、聶明玦の棺に血を垂らし、封印を破って死を覚悟した場面だったのです。そこで阿瑶は、藍曦臣に「一緒に死んで下さい。」と言った。人生最後の最期に、今まで封じ込め…

陳情令スピンオフ「乱魄」を見て

日本版放送を待ちきれずに、翻訳かけながら見ました。聶兄弟のスぺクタル活劇という印象でした。聶懐桑が完璧に姫で聶明玦はもう本当に頼もしく格好良い大哥です。武術の鍛錬を嫌い、優美な趣味に浸る弟懐桑を兄明玦が心から慈しんでいたことが判ります。聶…

藍曦臣の想い

金光瑶の死で最も衝撃を受けたのは、やはり藍曦臣に他ならないでしょう。石段に座り込んだ彼が聶懐桑へ呟く。「阿瑶が分からない… "私こそが彼の理解者”、それは私の思い違いで、改めて見極めようとしたが、今でもよく分からぬ」「曦臣哥…完全に理解するなど…