曦瑶

「陳情令」金光瑶と藍曦臣についての彼是

『愛を知っている』?

あの世界の女性達皆辛いと思ってるけれど最も不憫なのは秦愫だろう。
阿瑶との契りは婚礼前のただ一夜限り、夫からは常に優しく大切にされたけれど、
阿松を亡くしてからも次の子を望まれず、
夫は側室を持とうとはせず金凌を後継者と定めた。
義兄の沢蕪君は一月も金鱗台に泊まり込み昼も夜(夜狩?)も
行動を共にしている。妻の立場は?
何不自由無く暮らしながらも抱える秦愫の虚ろさを阿瑶は感じていたのだろうか?
ドラマ版で虞紫鴛は江楓眠との心の絆を確かに感じて逝った。
江厭離も魏嬰を庇い江澄と魏嬰に看取られて亡くなった。

愛しい者を目に焼き付けて彼女達に救いはあったろう。
けれど愛する夫が実は異母兄で、我が子を葬ったという真実を
知ってしまった秦愫の最期は、あまりに酷い。
私は秦愫の死は、阿瑶に誘導されたのではなく秦愫が自らの尊厳を守る為、
憎みきれない阿瑶への愛の為の自死だと思いたい。
過酷な現実から秦愫を遠ざける事が彼女への愛だと
最善だと阿瑶は考えたのだろうけれど、
それはあまりに秦愫そのものを視てはいない傲慢な愛だよね。
阿瑶は本当の愛を知ってはいない。哀しいけれど。